つい手に取ってしまった!:『「ついやってしまう」体験の作り方』を読んでみた

たくさんの人が知っているゲーム、「スーパーマリオ」や「ドラゴンクエスト」などを題材にし、「どうやったら人の心を動かす体験をつくりだせるか」、その方法が紹介されています。

著者の玉樹真一郎さん(@tamaki_wakaru)は、任天堂の「Wii」の企画担当として、最も初期のコンセプトワークから手がけており、「Wiiエバンジェリスト」「Wii のプレゼンを最も数多くした男」と呼ばれています。

「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

「ついやってしまう」体験のつくりかた 人を動かす「直感・驚き・物語」のしくみ

目次

  • 第1章: 人はなぜ「ついやってしまうのか」 - 直感のデザイン -
  • 第2章: 人はなぜ「つい夢中になってしまうのか」 - 驚きのデザイン -
  • 第3章: 人はなぜ「つい誰かに言いたくなってしまう」のか - 物語のデザイン -
  • 終章: 私たちを突き動かす「体験→感情→記憶」 - 体験デザインの正体 -
  • 巻末1: 「体験のつくりかた」の使い方(実践編)
  • 巻末2: 体験デザインをより深く学ぶための参考資料

概要

第1章では、ユーザーが自発的に直感的に行動・学習することを助け、「ついやってしまう」体験をデザインするための手法が紹介されています。下図のような「スーパーマリオ(?)」や「ゼルダの伝説」を題材にしています。

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野球場にいるおじちゃんみたいになってしまった・・・

第1章で紹介された「直感のデザイン」には、「連続すると疲れや飽き」がくるという弱点があります。それに対処するため、第2章では、「つい夢中になってしまう」体験に必要な「驚きのデザイン」の手法を紹介しています。「ドラゴンクエスト」が題材にされていて、ぱふぱふにはそんな本質があったのか!とまさに驚かされます。

第3章では、直感や驚きのデザインによる体験に意義がなければ、ユーザーの心を動かすことができません。体験に意義を与える「物語のデザイン」の手法が紹介されています。

ユーザーに寄り添うことの本質

仕事で、「ユーザーに寄り添って考えよう」とは言いますが、具体的にどうすればユーザーに寄り添うことになるのか、「こうすればいいんだ!」という答えを持っていません。

著者は、この問題に対する回答として、以下のようにおっしゃっています。

ユーザに寄り添うためには、ユーザがたどる「わかる」→「良い・正しい」という体験の順番に合わせて優先度を決めなければいけません。商品やサービスの「良さ・正しさ」を伝えるよりも、まずは商品やサービスとの関わりかたが直感的にわかることを優先すること。これこそが「ユーザに寄り添う」の本質だと考えます。

ユーザーの課題を解決するための機能があればよい、というだけでは「ユーザーに寄り添う」とは言えないのかもしれません。

先日(9/12)参加した DevLOVE イベントのお話の中にあったのですが、課題解決もできるし検証も大丈夫なはずなのに、ユーザーは飛びつくほどの反応ではないことがある、と。そんな時は「アテンションにあたる価値がない」のかもしれない、と。

この「アテンションにあたる価値」を上げるために、ユーザーが直感的にわかりやすいもの、「これをこう動かしたらこうなるのかな?」という仮説を立てやすいデザインをする必要があるんだなと感じました。たまたま最近はプロダクトの一部の企画をやっていることもあり、「良い・正しい」ことよりも「わかる」にはどうすればいいか、突き詰めていきたいと思いました。

yudy1152.hatenablog.com

(メモ)気になったコトバたち

  • 心理学や認知科学で用いられているコトバ

  • 学習心理学のコトバ

    • 初頭効果・・・時間をかけて学んでいくとき、体験のはじめ頃に集中力や学習効率が高まる、というもの

人生を突き動かすもの

「体験 → 感情 → 記憶」という流れが、常に私たちの人生を突き動かしています。この流れを逆にたどると、こうもいえます。あなたが今記憶していることは、あなたの感情を強く揺り動かした体験だったはずだ、と。

本書ではこうも書かれています。「自身の記憶をたどり、感情を確かに突き動かした体験=記憶を土台にし、無数の人々の心を動かす体験をデザインしていけばいい」、と。この体験をデザインすることは製品開発だけではありません。仕事などの実生活においても応用が効き、以下の具体的なテーマに分けて解説されています。

  • 考える / 企画
  • 話し合う / ファシリテーション
  • 伝える / プレゼンテーション
  • 設計する / プロダクトデザイン
  • 育てる / マネジメント

ここでは、「よい企画の出し方の方法」といったことではなく、「つい企画を考えてしまう、考えることに夢中になってしまう」といった体験をつくるためにはどうしたらいいか、ということが紹介されています。

製品に対してだけでなく、実生活への「デザイン」をしていくことは非常に難しく感じますが、「人の心(感情)を動かす」にはどうしたらいいのかを考えていきたいと思うようになりました。

(余談)

本書に書かれていることは、組織開発、人材開発、いわゆる人事の業界にも通ずるものがあるのかな、と感じました。人の気持ちや性質を考えることが重要だったりするところが同じなのではないかと。なので人事制度や評価制度などに本書の「デザイン」を適用できないか考えるのもおもしろいのではないか、と思いました。

参加レポート: 経験談から学ぶ、スタートアップ・事業立ち上げにおけるプロダクト開発の”あるある”と対処法!

9月12日(木)、DevLOVE のイベントに初めて参加してきました。

DevLOVE は、開発(Develop)を愛する人たちの集まりで、昨日より今日、今日より明日と、現場の開発を前進させていくため、役立つことはなんでも幅広く取り扱った勉強会やイベントを開催しています。

devlove.doorkeeper.jp

イベントの流れ

  1. 櫛田さん(@miz_kushida)のお話
  2. 市谷さん(@papanda)のお話
  3. 5~6人に分かれてディスカッション

1. (櫛田さん)事業立ち上げの"あるある"はなぜ生まれるのか?

新しい事業やプロダクト開発の支援経験が豊富な櫛田さん。経験してきた中での”あるある”をお話してくださいました。「行動」に着目していて、なぜそれをやらないといけないのか?を考えることが好きだ、とのことです。

思いつきの事業アイデアで UI/UX や機能の検討を始める

櫛田さんが過去に行ったワークショップで、事業アイデアを思いついた時に何をすべきか?をディスカッションし、その時はいい内容が出てくるが、いざ実際に自分がそうなった時になると、言っていたこととは違うことをやってしまいがちな人が多いそうです。

  • ポイント
    • 何をやったら「検証したか」になるかを定義すること

ペルソナから作り始めてしまう

ゼロイチ(ほぼゼロの状態)の時に、作ったペルソナが実在しないこともある、とのことです。

私は、より具体的な人(現実にいる人)を連想できるほどの定義が必要、と受けとめました。

顧客の声を聞いたつもりになっている

まともにユーザーレビューができてる人を見たことがないし、ご自身も難しいことだと感じている、とのことです。

DFree(以下参照)の開発時、排泄問題を困っていることだと思い込み、ユーザーへのアンケートで、ユーザーは何を選んでも困っている前提の回答にしかならないものになってしまっていた、ようです。

  • ポイント
    • 自分がその問題を解決したいと思っているからといって、顧客はそう思っているとは限らない

dfree.biz

顧客の課題を簡潔に言えない

櫛田さんの最近の感覚として「いいな」と思っていることは、プロダクトの初期段階で、20文字程度で課題を言うこと。20文字程度で言えない課題は課題じゃないな、と。DFree の開発で 2ヶ月くらいインタビューをして辿り着いたのは、「正しいケアの仕方がわからない」だったそうです。

  • ポイント
    • 課題を書き出す時、「〜したい」ではなく、「〜できない」というシンプルなもので

私はこのお話を聞いて、「〜できない」という形式であれば、「何のために?」という自分の主観や顧客の主観を省くことができるので推奨されているのかな、と思いました。

開発優先度が明確でない

チームや会社で明確になっているか?有力なお客さんが言ったから入れた、ユーザーインタビューで強めに言っていたから入れたとか、それって本当に必要なものなのか、プロダクトの価値のポジショニングを定義することが大切、とのことです。

  • ここのお話の中で紹介のあった本(東大の方が書いたと言っていたので、多分こちらの本で合ってるかと・・・)

どうして"あるある"は生まれるのか?

以下の対立した構造がコンフリクトを起こし、様々な問題を引き起こします。

  • 主観 vs 客観
    • 「何に困ってますか?」と聞くのは顧客の主観
    • アンケートで困ってることを 1 or 2 or 3 or 4 で選ばせるのは自分の主観
    • 客観は、自分の外にあるものだし、顧客の外にあるもの
  • 経営層 vs 現場
  • 企業の利益 vs 顧客の利益
  • 短期的視点 vs 中長期的視点
  • 混沌 vs 秩序

ほとんどの場合はどちらかのポジションにいる。これを解決するためには、両方を統合し、第三の視点を導入し、1つ上の視点で見ること、とのことです。

両方を統合する時のコツ

「主観 vs 客観」の統合の仕方について、顧客に主観は一切聞かない。例えば、チームの仲がいいのか悪いのかを聞きたい時に、「状況はどうですか?」と聞いても、たいてい「普通です」とか「まぁ、いいです」という回答がくる。そんな時は、「5W1H」の Why を抜かした「4W1H」で、つまりファクトで聞くとよい、とのことです。

そのチームに山田さんという人がいたとして、「今日は誰とランチに行きましたか?」、「昨日は誰と?」、「じゃあ、一昨日は誰と?」ということを聞くことで見えてくるものがある。

顧客のことについても、顧客の行動を自分にインストールし、課題や仮説を自分の中に立てることが重要となってくる。

その他の統合のコツは、対立する人が社内であれば、第三の視点として「顧客」を入れ、「顧客」のカスタマーサクセスを定義して一緒に目指していくことで、コンフリクトが和らぐ、とのことです。

2. (市谷さん)4つの「戦犯」から考えるサービスづくりの失敗

アテンション(注目)にあたる価値がない

ユーザーの問題解決もできるし、検証も OK。だけど、ユーザーインタビューすると、「お〜それそれ!」みたいな飛びついてくるような反応がなかったりする。これは、分かりやすい価値を表現できていないことになる、とのことです。

私は、ユーザーの課題解決ができるようにするために必要なことは何か、ということばかりが頭にありました。今の自分に足りていないのはコレ(アテンションにあたる価値)だ!と思いました。

お客さまと打ち合わせをしている時に、「それいいね!」と言ってもらいたいところでは特に反応がなく、想定していなかったところで「それ素晴らしい!」と言われました(1つでもあってよかった・・・)。自身の未熟さを感じつつも、「アテンションにあたる価値」を追求したいと思いました。

体験の検証をやっていない

プロダクトの構想は広がりがちだけど、本当に必要そうな部分を検証することが必要になる。

仮説には3つの側面がある。

  • 課題の仮説(本質):利用者の課題についての仮説
  • 機能の仮説(実体):サービスの機能についての仮説
  • UI の仮説(形態):ユーザーインターフェースについての仮説

本質を捉えていないのに UI の検証をするのはよろしくない。

チャネル検証をやっていない

ユーザーへ届けるための検証のこと。たいてい開発が終わったくらいにどうやって届けようかと検討していきがちで、後になって「届けるコスト」が現実的ではないことに気づくことになる、とのことです。

  • ポイント
    • どんなにいいプロダクトでも届けられないと意味がない

事業を始めてしまう

MVP で検証したいのはビジネスモデルなのにも関わらず、いざ MVP が完成すると、検証が終わっていないにも関わらずビジネスが始まってしまうことがある。動くものができると、関係者の期待が生まれやすいため、とのことです。

  • ポイント
    • 今何をやっているのか、をちゃんと把握することが大切

3. ディスカッション

5 ~6 名くらいでグループを作り、どの”あるある”に共感したか、などをディスカッションしました。どのグループの方々も共感ポイントが多いのか、笑い声も交えつつ、盛り上がっていたように感じました。

また、今まで参加したことのあるイベントは、エンジニア寄りのものだったので、プロダクトオーナーといった立場の違う方とお話することができてとても新鮮でした。ただ・・・緊張していたせいか、何を話したか・・・失念してしまいました(泣)

最後に

最近、お客さまと直接打ち合わせをすることがあるのですが、どのようにヒアリングしたらよいか頭を悩ませていました。お客さまの行動、ファクトを捉えるような質問の仕方を考え、実践していこうと思いました。そのためにも「ユーザーインタビュー」をキーワードに、勉強していってみようかなと思います。

カイゼン・ジャーニー』と『正しいものを正しくつくる』を沖縄に置いて東京(出張)へ来てしまったことを後悔しています。持ってきていれば市谷さんにサインもらえたかもしれないのに!

カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで

カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで

読書が楽しくなる!:『1冊読み切る読書術』を読み切った

本を読みたいと思っているけど、なかなか読み進められないという苦手意識を持った方にオススメな本です。「最初から最後まで頑張って読む」、「途中であきらめない」という気持ちを捨て、「楽しく読む」ことができるようになるための手法を教えてくれます。実践していこうと思った3つの Point を紹介します。

1冊読み切る読書術

1冊読み切る読書術

目次

  • 序: 1冊読み切る一番カンタンな方法
  • 第1章: 3つのポイントで読み切れる本を見つけよう
  • 第2章: 人に話したくなることを3つ見つける
  • 第3章: 頭に入れるのは3割でいい
  • 第4章: 3分の細切れの時間で1冊読める
  • 第5章: 3色ボールペンを使おう
  • 第6章: 3か所に本を分けてみよう
  • 第7章: 3行でSNSに投稿してみよう
  • 終章: 3つのステップで長編古典だって読める

Point: 本棚を置いて読書のアンテナを立てよう

自分の本棚に読書歴が "見える化" されると、読書のアンテナがびんびん立つようになります。そして、「もっと本棚を充実させていこう」というモチベーションが湧きやすいのです。

私の部屋には本棚がなく、机に積まれています(数が少ないので・・・)。その積まれた本を眺めるだけでも楽しいです。最近はこういうジャンルを読んでいたから、別のジャンルに手を出そうかなとか、そういえばこの本の中で言っていた◯◯をもっと知りたいから別の本を読んでみようかな、といったモチベーションが湧いてきます。

今までは無防備にただ積まれていた本ですが、ちゃんと本棚を買って "見える化" し、さらなるモチベーションアップにつなげようと思いました。

Point: 要約サイトの「要約力」を活用しよう

通勤や休憩といったスキマ時間に活用できる「要約サイト」が紹介されています。

要約に頼り切るあまり、自分自身の "要約スキル" が衰えたら元も子もありません。

要約を読んだだけで「わかったつもり」にならないこと。「要約を読む」ことと「1冊を読み切る」ことは別物である、と書かれています。

要約力や文章力を磨きたいという思いがありつつも、特に何もしてきませんでした。このようなサイトには、自分が読了した本の要約が載っているので、プロが書いたものを読み、「こうやって書いたらわかりやすいんだな」といった観点で活用してみようと思いました。

Point: 本はどんどん汚して "自分色" に染めよう

著者は、「3色ボールペン(赤、青、緑)」を使って、本に線を引いたり丸をつけたりしていくことを勧めています。

3色の使い方については以下の通りです。

  • 赤(「これは最重要」というポイントに引く)
    • その部分だけ読めば文書の趣旨が伝わる箇所
    • 目安として3か所
  • 青(「まぁ大事」と思うところに引く)
    • 後から読んで粗筋や要約になっているようなイメージ
  • 緑(自分が「面白い」と感じたところに引く)
    • 話の本筋とは無関係だけど面白い(他の人はスルーしそうな)ところ

今まで読書する時は、赤ボールペン一本で線を引いていました。これだと後で見返した時に、要点だと思って引いたのか、面白いと感じたから引いたのかが判断しづらいなと感じていました。

そこで本書を読み終え、本屋で新たな本を買うとともに、4色ボールペン(なぜか黒も付いてる)を購入しました。そして早速、今読み進めている本を3色で彩っています。やってみて分かったのですが、赤ペン一本で引く時よりも、「緑」をもったいぶらずに引けるなと感じました。また、本書でも書かれていたのですが、別の色(特に赤)にカチッと切り替える時に、「ここが重要なんだ!」と気合いが入ります。不思議だなぁと感じつつも、より楽しく本を読み進めている自分がいることに気づきました。

これからもっともっと読書を楽しんでいこうと思います!

『天才を殺す凡人 - 職場の人間関係に悩む、すべての人へ』を読み、新たな挑戦をする人の支援も意識していこうと思った

人の可能性を阻害するものに、憤りを感じるから

著者は、この本を書いた理由をこう述べています。

もし、何か新しいことに挑戦しようとしているけれども、なかなか足を踏み出せない人がいるなら、ぜひ読んでもらいたいなと思います。きっと勇気をもらえると思います。

本書は小説のようにストーリー形式で書かれており、その中に出てくる(あの渋谷の)忠犬ハチ公のケンのセリフを抜粋し、思ったことを書き留めました。

天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ

天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、すべての人へ

目次

  • ステージ 1: 才能ってなんだろう
  • ステージ 2: 相反する才能
  • ステージ 3: 武器を選び、戦え

概要

  • なんで自分はあの人みたいに器用にできないのだろう
  • なぜ、言いたいことがうまく伝わらないのだろう
  • どうして人は理解してくれないのだろう

これらのような「悔しい」という気持ちは、「自分の才能を自分自身が活かしきれていないことへの焦りや悲しみ」だと著者は言っています。そして本書は、才能を「ビジネスの世界で必要な三つ(天才、秀才、凡人)」に定義し、その才能を活かす方法を、ストーリーに沿って段階的に解き明かしていきます。

配られたカードで戦え

「あぁ、天才に生まれたかった」「秀才に生まれたかった」そんなこと考えるのはホンマに時間の無駄や。大事なんは、自分に配られたカードが何かを知ること。そしてそのカードの使い方を知ることなんや

さらに、大事なことは配られたカードを世に出し続けること。勝負に負けることもあるが、出し続けることで、過去最高の自分に出会える。才能は磨かれていくし、見たことない自分に出会える。これが才能を使うことの最大のメリットである、と言っています。

私に配られたカードはなにか、いまいちピンときていませんが、強いて言うなら「インプットとアウトプット」でしょうか。今年の3月からブログを始め、今まで目を向けることがなかった分野に興味を持ち、本を読んだりブログを書くことを楽しんでやれるようになりました。何よりも、充実した時間を過ごすことが多くなってきたと実感しています。量・質ともにまだまだですが、改善し続け(磨き続け)、成果(仕事、仕事外に関わらず)につなげられるようにしたいと思いました。

それぞれの人の中に天才がいる

人は「才能があるか、ないか」だけにフォーカスしようとする。だどもな、才能を活かせないのは、才能があるかないかより前に「ストッパーとなる存在」を取り除くことの方がはるかに大事なんや。これが「本当の自分になる」ための方法論なんや

さらに、自身の中にいる「天才」が思いついたアイデアを、社会的なロジックで「良いか悪いか」を判断するのが「秀才」。そして最後に「恥ずかしい」とか「周りからどう思われるか」と感情で判断し、その結果やっぱりやめておこうと、「凡人」が出てきてしまう。これらがいわゆる「ストッパーとなる存在」である、と言っています。

特に画期的なアイデアを思いついたというわけではないですが、確かに自身の中にいる「ストッパーとなる存在」に出会ったことがあります。だいたいそういう時は、すぐに行動に移さず、時間が経てば経つほど相手や周りの反応を気にしてしまい、結局やめてしまうというケースが多いような気がします。

自身の中にいる「ストッパーとなる存在」を取り除くことも大事だと思いますが、私自身が周りの人たちの「ストッパーとなる存在」になりたくないなと思いました。そのためにも、本書で言うところの「共感の神」、「神」まではいかなくとも、「共感力」を伸ばしていきたいと思いました。しかしこの「共感力」、どのように鍛えることができるのでしょうか。今後の勉強候補に入れたいと思います。

『マンガでやさしくわかる経営戦略』でまずは全体像を把握!

経営戦略について『MBA 経営戦略』を読み始めましたが、読み進めるのが厳しいなと感じ、いったん入門書であるこちらを読むことにしました。

マンガでやさしくわかる経営戦略

マンガでやさしくわかる経営戦略

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目次

  • プロローグ: 経営戦略とはなにか
    • Story 0: 経営危機
  • Part 1: ドメインを設定する
    • Story 1: 「思い」と「現状」
  • Part 2: 自社の「環境」を分析し、戦略につなげる
    • Story 2: 強みは何か?
  • Part 3: 経営を支える仕組み作り
    • Story 3: "絵に描いた餅" で終わらせないために
  • Part 4: 戦略を常に見直し、さらなる発展を目指す
    • Story 4: 成長を加速させる

ストーリーの概要

主人公は元体操五輪選手の東聖子(27)。実家が経営しているスポーツジムのインストラクター。経営状況が悪化している中、父から「3年以内に黒字にする」ことを約束させられる。ジムのお客でもあったKO大学の准教授と知り合い、彼から経営戦略を学び、共に立て直していくストーリー。

経営理念、経営ビジョン、経営戦略の言葉の整理

  • 経営理念: (半)永久
    • 経営を行っていくうえで必ず守るべき根本の考え
    • 時代や環境の変化に依存せず、守り続けなければならないよりどころ
    • 例)「人を尊重し、大事にする」、「〇〇(地名や業界など)の発展に貢献する
  • 経営ビジョン: 3 ~ 5 年
    • 会社の将来の理想像
    • 一定期間(長期: 10 年以上、中期: 3 ~ 5 年程度)経過後のありたい姿
    • 例)「売上高〇億円」、「顧客会員数〇人」
  • 経営戦略: 3 ~ 5 年
    • 理想を実現するための総合的・長期的・大局的な計画
  • 戦術: 単年
    • 戦略をより具体的、実際的なアクションに落とし込んだもの

例えば、「近くの映画館で何が上映されているか」、「あそこの本屋の営業時間は何時までだったかな」といったことを調べることはありますが、その企業のページを見ることはありません。しかし、本書を読み、普段利用している本屋の経営理念は何だろう?と興味を持ち、見てみました。

丸善ジュンク堂書店」の経営理念

沖縄の国際通りのすぐ近くにある「ジュンク堂」、仕事終わりに寄ることもしばしばあり、大変お世話になっております。いくつかある経営理念のうち、「なるほど!」と思ったものをピックアップしました。

www.maruzenjunkudo.co.jp

"図書館よりも図書館らいしい"店づくり

いくつか椅子が置いてあることは気づきましたが、それだけではなく、店内は広く、落ち着いた雰囲気でもあるため、「確かに図書館っぽい!」と思いました。近くに大きな本屋がないからではなく、国際通りのすぐ近くにあるあの「ジュンク堂」の雰囲気が好きなんだなと改めて思いました。「ジュンク堂」を応援してます!!

本記事の主旨とはズレてしまいましたが・・・身の周りのサービスを提供している企業の理念について興味を持ちました!

ドメインとは?

ビジネスシーンでは「事業ドメイン」、すなわち「自社が事業を行う際の範囲、領域」という意味で使われます。本書のストーリーの舞台となっているスポーツジムの「ドメイン」は、以下のような表現が考えられます。

  1. レーニング用のマシンを会員顧客に提供する事業
  2. 会員顧客の体力増進と健康維持に貢献する事業

どちらも表現としては間違いではありませんが、1 をドメインと考えた場合、顧客に提供するサービスは「マシンの使用」に限定されてしまいます。2 をドメインと考えると、「マシンの使用」だけでなく「健康」につながること全てに広がります。しかし、広ければよいというものではなく、狭すぎず、広すぎず、程よい範囲は「どこ」かを見極めることが大事、とあります。

ドメインを設定する必要性について

企業に関わる人々に対し、「その企業は何を目的に、何のために存在しているのか」を分かりやすく示し、共感、信頼を得ることが最大の目的、とあります。

ドメインは1度設定したらそれでおしまい、というわけではなく、世の中の環境変化のスピードに対応するため、社内外のあらゆる変化に常にアンテナを立てて、適応させていく必要があります。

ドメインと個人の目標も一緒?

言葉の意味合いとしては全く違うものだと思いますが・・・。

多くの会社では、ある一定の期間(四半期や半年など)で目標を立て、評価(フィードバック)を受けるということを行っているかと思います。社内の環境変化が激しいと、当初立てた目標と実情(実際の業務)に差異が出てきて、目標が忘れ去られてしまうということもあるのではないでしょうか。

目標期間が短期化されてきていると本書でも書かれていますが、自身が立てた目標の進捗をチェックするだけでなく、周りの変化に柔軟に適応させていく姿勢も必要になってくるのではないかと思いました。

まとめ

今回だけでなく、本を読んでいて難しいなと感じた場合はいったんその本を横に置いておき、同じテーマでより読みやすそうなものを一読する方がよさそうだなと思いました。

※ マンガのストーリーについてですが、主人公の聖子が倉庫を調べている時に、母親との思い出をふりかえるシーンは少しウルっときました。

『読みたいことを、書けばいい。』を読み、自分にとって何が読みたいのかを考えさせられた

『読書を仕事につなげる技術: 外資系コンサルが教える』で紹介されていた「書店で散歩」を真似しようと思い、東京丸の内にある丸善に行ってきました。店内に入ってすぐのところにあり、タイトルが目に入った瞬間、購入候補となりました。

どうやら最近は「読む・書く・インプット・アウトプット」というワードに目がいってしまうようです。

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術

目次

  • 序章: なんのために書いたか
  • 第1章: なにを書くのか - ブログや SNS で書いてるあなたへ -
  • 第2章: だれに書くのか - 「読者を想定」しているあなたへ -
  • 第3章: どう書くのか - 「つまらない人間」のあなたへ -
  • 第4章: なぜ書くのか - 生き方を変えたいあなたへ -

ブログを続けるモチベーションはこれだったのか!?

第1章では文書と文章の違い、今ネット上にあふれている文章は「随筆」である、と書かれています。著者は「随筆」を次のように定義しています。

事象と心象が交わるところに生まれる文章

  • 事象
    • 見聞きしたことや知ったこと(世の中のあらゆるモノ、コト、ヒト)
  • 心象
    • 事象に触れて心が動き、書きたくなる気持ちが生まれること

私がブログを続けられるモチベーションはまさにココにあるのだな、と思いました。仕事のことや勉強したことでも、思ったことや考えたことをブログへアウトプットし、後で読み返した時に、その時のことを思い出し、「ふりかえり」に利用できるのではないかと思うからです。

「第4章: その5 書くことは生き方の問題である」

自分が読みたくて、自分のために調べる。それを書き記すことが人生をおもしろくしてくれるし、自分の思い込みから解放してくれる。

もっとインプット・アウトプットを楽しくしていけるように、「自分が読みたくなる」ような記事を書いていきたいと思いました。そのためにも、心が動かされた箇所を漏らさないようにし、考えてみたけどよく分からなかったことも含めて書いていこうと思いました。

数を絞らないと、時間は有限だしな、というジレンマがありつつも、まずは挑戦!

備考

「小さいアウトプットを細かいサイクルで」を試行中です。小さい単位だったとしても、もう少し量を増やしたいなぁとも思っています。そのためにも、決められた時間内でどれくらいのアウトプットが出来るのかを測っていく、という訓練が必要なのかなぁと思いました。思ってしまったからにはやってみるしかない・・・!

経営戦略,事業経済性の勉強メモ:『MBA 経営戦略』

今日読んだ場所

  • 第1部: 経営戦略の基本コンセプト
    • 第1章: 事業経済性の活用
      • 1: 典型的な事業経済性
      • 2: SCP モデルと5つの力分析
      • 3: アドバンテージ・マトリックス
      • 4: ポーターの3つの基本戦略と戦略グループ
      • 5: 業界内の地位に応じた戦略
      • 6: バリューチェーン
    • 第2章: 自社の強みの構築と活用(未読)
    • 第3章: 戦略の動的プロセスとラーニング(未読)

概要

セブンイレブンやアマゾンなど,身近な企業の事例とともに,利益を上げながらの成長,他社より優位なポジション取り(ポジショニング論),そのカギとなるコスト,これらをキーにした説明がされています.

典型的な事業経済性

事業経済性を言い換えると,コスト低減のメカニズムです.多くある事業経済性のうち以下の5つについて説明されています.

  • 規模の経済性
    • 規模(売上高)が増すと製品1単位当たりのコストが低減することを指す
  • 習熟の経済性(経験曲線)
    • 累積生産量が増すほど単位当りのコストが減少することを指す
  • 範囲の経済性
    • 異なる事業間における資源の共有によるコスト低減
  • 密度の経済性
    • 店舗や配送センターを高密度に配置することで輸送コストの節約
  • ネットワークの経済性
    • SNSなど,利用者が増えれば増えるほど,顧客獲得コストやサービス提供コストが低減

「なんでコンビニがこんな近距離でたくさんあるのか」と思っていましたが,まさに「密度の経済性」でした.輸送コストの節約だけでなく,店舗や配送センター自体が広告媒体になり,広告投資の節約にもなるようです.

余談ではありますが,沖縄にセブンイレブンが出店(14店舗)したのはつい最近のこと.もっともっと密度高くして欲しい!って思ったら・・・なんと2024年には250店舗目標とのこと!セブンのお弁当美味しいから家の近くにできることを期待です!

www.ryutsuu.biz

メモ(初めて聞いた言葉)

  • バイイングパワー

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